「ローフード」という言葉を聞いたことはありますか?
ローフードとは、簡単に言えば「加熱をしていない生の野菜や果物」をいいます。
食材に熱を加えずに生で食べることで、熱に弱い野菜や果物が持つ本来の酵素や栄養素を効果的に摂れることができるとされ、注目されるようになりました。
この記事では、ローフードの種類や人気の背景、メリット・デメリットの整理、さらにはローフードを活用した具体的なレシピについて紹介していきます。
ローフードへの理解を深め、より良い食生活を送るヒントを得ていきましょう!
ローフードの歴史と、人気のワケとは!?
ローフードとは、そもそもいつ頃に生まれたのでしょうか。
意外に思われるかもしれませんが、ローフードの先駆者は古代ギリシャの哲学者であるピタゴラスやソクラテスであると言われています。
彼らは生徒たちに「食物を生のまま食べることの重要性」を説いてきたという記録があります。
古代ギリシャの哲学者による教えは、1830年代にアメリカで酵素栄養学の基盤である「ナチュラルハイジーン理論(自然の法則にのっとって生活すれば、健康に生きていくことができるという考え方)」によって、どんどん広がっていきました。
その後、欧米諸国を中心に世界に広がり、日本でも徐々に認知されてきています。
ローフードは、生の食材を使用することによる彩り豊かな見た目や、加工のされていない食材を摂取できることから、現在では若い女性を中心に「おしゃれと健康を両立した食生活を送ることができる」と人気を広げています。
日本食にはローフードがたくさんある!
ローフードで使う食材は、野菜や果物のほかに、ナッツや種子類、スプラウト、海藻、発酵食品など、多岐に渡ります。
日本には、酵素を含む食べ物がたくさんあります。
味噌や醤油、酢、漬物、納豆、麹、酵素玄米などの発酵食品、さらには干し物や 大根おろし、生姜などの薬味にも酵素が含まれており、日本食はもともとローフードとの親和性が高いと言えるでしょう。
ローフードのメリットとデメリット
ローフードは、健康的と思われる一方で、必ずしも良いことばかりとは限りません。
ここからは、ローフードのメリットとデメリットを整理し、正しく摂取するための理解を深めていきましょう。
メリット:美容効果が期待できる!
ローフードは、加熱や加工をせずに生で摂取することでその食物が本来保有する水分が体内をめぐり、溜まった老廃物を体外に排出してくれます。
老廃物を排出することで、肌の健康を保つターンオーバーも活性化され、美肌効果が期待できます。
また、生の野菜や果物を食べることで食物繊維や酵素を豊富に摂取することができ、整腸効果によりお通じの改善も期待できるでしょう。
美容の観点から、多くの効果が期待できそうですね。
デメリット:ローフードのみの食生活は健康に悪い?
一方で、デメリットはどうでしょうか。
大きなデメリットとして、「栄養失調になる恐れがあること」でしょう。
実は、ローフードによる食生活を始めた人の中には、数か月過ぎたころからだんだんと体調不良を訴えるケースもあります。
ローフードは、得られる栄養もある一方で、全体的に低カロリーであり100gあたりの栄養価も低いものが多いことが問題です。そのため、十分な栄養素を摂ることができずに栄養失調になる恐れがあるため、注意が必要です。
美容効果を期待するとはいえ、ローフードのみを食べるのではなく、バランスを意識した食事が重要であるといえるでしょう。
ローフードで不足しやすい栄養素とは?
ローフードのみの食生活では、具体的にどのような栄養素が不足してしまうのでしょうか。
ローフードのみでは、カルシウムやタンパク質、ビタミンA、ビタミンB12、鉄分、オメガ3、亜鉛などが不足しがちになります。これらの栄養素は、健康的な体をつくる上で欠かせません。
ローフードを取り入れた食生活を送る上では、不足しがちな栄養素をきちんと理解し、意識的に摂ることが必要になるといえるでしょう。
夏にも冬にも!ローフードを用いたレシピのご紹介!
こちらでは、ローフードを用いた具体的なレシピについてご紹介していきます。どれも、5〜10分で完成する簡単な調理法です。
ローフードの特徴を踏まえた上で、普段の食生活に正しく取り入れてみてはいかがでしょうか。
レシピ1:カラフル野菜サラダ
まずは、夏にぴったりのさっぱりしたシンプルな野菜サラダです。
普段の食卓に、彩りを加える副菜として最適です!
<材料|2人分>
- トマト 1個
- キュウリ 1/2本
- 玉ねぎ 1/4個
- パプリカ 1/2個
- オリーブオイル 大さじ1
- お酢 大さじ2
- きび砂糖 小さじ1
- マスタード 小さじ1
- 塩 少々
- バジル 少々
- ブラックペッパー 少々
<作り方>
- トマトはくし切りにし、それを斜めに3〜4等分する
- キュウリ、パプリカ、玉ねぎはそれぞれ1センチ角に切る
- 1.2と調味料のすべてを入れ、あえる
- お皿に盛り付けたらお好みでブラックペッパーをふる
※調理時間:〜10分
レシピ2:ニンジンと塩昆布のナムル
続いては、ご飯にも合う簡単な一品のご紹介です。
5分程度で完成する簡単なレシピである一方で、ごま油やニンニクの効いたパンチのある味に仕上がります。ちょっぴり晩酌するときのつまみにもピッタリ!
<材料|2人分>
- ニンジン 1本
- 塩 適量
- 塩昆布 適量
- しろすりごま 大さじ1
- ごま油 小さじ2
- しょうゆ 小さじ1
- にんにくチューブ 1cm
<作り方>
- ニンジンを千切りにして塩を振る
- ニンジンがしんなりしたら軽く水洗いしてよく絞る
- 調味料と和えて完成
※調理時間:〜5分
レシピ3:ロースープ
最後に、冬に最適な一品のご紹介です。
加熱処理をしない野菜や果物を利用することから、ローフードは冬には向かないと思われがちです。しかし、そのような心配はありません。冬にこそ、ローフードを用いた温かい一品を取り入れてみてはいかがでしょうか?
<材料|1人分>
- アーモンドミルク 200cc
- お湯 100cc
- 白みそ 大さじ1
- ガーリックパウダー 少々
- 塩 少々
- ブラックペッパー 少々
- パセリ 適量
- スモークパプリカパウダー 少々
<作り方>
- 材料をブレンダーに入れて軽く混ぜ、お好みの味になるよう調整する
- クリーミーに仕上げる場合はアーモンドミルクを増やし、さっぱりと仕上げたい場合にはお湯を少しずつ追加する
- 味を強調したい場合は、白みそを少しずつ追加する
- 最後に、味をまとめるために塩とブラックペッパーを少しずつ加える(塩分を控えたい方は塩はなくても問題ありません)
ローフードの料理に使える調味料
最後に、ローフードに使用されることが多い調味料についてのご紹介です。
ローフードを取り入れた食生活をする上で欠かせない調味料。中でも使用することが多い調味料を3つご紹介します!
オリーブオイル
オリーブオイルは、オリーブの果実から得られる油です。なぜオリーブオイルが、ローフードに良い調味料として使用されているのでしょうか?
オリーブオイルは、良質な油として注目されています。さらには、抗菌作用があるとされているポリフェノールやトコフェロール、クロロフィルを多く含み、健康に適した油ということができるでしょう。
アクセントのある風味を楽しめるオリーブオイルは様々な健康効果を期待できるため、ローフードの料理にピッタリです!
ブラックペッパー
ブラックペッパーとは黒胡椒。
胡椒の未熟な緑の実を摘み、皮ごと天日に数日間干すことでできあがります。肉料理や魚料理、サラダなど豊富な食品にスパイスとして用いることができることから、長い歴史を経て人気を集めている調味料です。
ブラックペッパーと聞くと、「塩分が多いんじゃないか?」と不安に思う方も多くいらっしゃいますが、実はこれは間違いです。ブラックペッパー自体には塩分は非常に少なく、小さじ一杯あたりの食塩相当量は約0.0033gとされています。
塩分が懸念されるのはあくまで「塩胡椒」であり、「ブラックペッパー」は塩分過多の心配はありません。
少ない塩分量で、パンチのあるスパイスとして活きるブラックペッパーは、ローフードに欠かせない調味料と言えるでしょう。
バジル
バジルとは、シソ科の爽やかな香りのするハーブです。食欲のそそる香りから、肉料理や魚料理、パスタやピザといったイタリア料理など、幅広い食品に活用される調味料です。
バジルは、抗菌作用が高いことで知られており、ガンや動脈硬化の予防、胃腸の働きの改善、アンチエイジング効果も期待できます。さらには、バジルの色や香りはリラックス効果もあるとされ、月経などでホルモンバランスの崩れた時期に摂取するとリラックス効果もあります。
食欲をそそるだけでなく、女性に嬉しい効果も期待できるバジルは、ローフードにうってつけですね!
まとめ:料理が苦手でも手軽に始められるのが、ローフード
ローフードについて、紹介しました。
ローフードは、食材が豊富で難しい調理も必要ないため、料理が苦手な方でも実践しやすい食事方法です。もちろん、ローフードにより不足する栄養素もありますが、デメリットも含めて事前に特徴を知っておくことで、美容だけでなく健康的な食生活を送ることが可能です。
今回紹介したローフードが、あなたの理想の食生活やライフスタイルへのキッカケとなっていただけたら嬉しいです。様々な食習慣がある現代、それぞれの特徴を理解した上で、ご自身が望むライフスタイルに向けて活用していきましょう!