近年、スーパーフードとして注目を集めるヘンププロテイン。「興味がある」「試してみたい」と思っていても、あまり親しみがないため、手に取りにくいと感じる方も多いのではないでしょうか?
ヘンププロテインは安価で栄養価が高く、カロリーは低いのが特長。そのため、タンパク質の摂取だけを目的とせず、毎日の不足しがちな栄養を補給するために常飲する方が増えています。
そこで本記事では、ヘンププロテインとはなにか、また栄養価、効果やおいしい飲み方をご紹介!
さらに、各メーカーから販売されているヘンププロテインの比較表も作成していますので、商品選びの参考にしてみてください。
ヘンププロテインってなんだろう?
ヘンププロテインのヘンプとはなにか、知っていますか。
ヘンプとは、「麻」のこと。ヘンププロテインはヘンプシード、つまり麻の実を使用しています。
このヘンプシードを粉末化し、摂取しやすいよう加工したものがヘンププロテインです。ヘンプシードの特長は、栄養価がとても高いこと。そのため、ヘンププロテインも栄養価の高い植物性プロテインとして世界で注目を集めており、日本でもスーパーフードとして認知されつつあるのです。
原材料はヘンプシード=麻の実
原材料のヘンプシード、つまり麻の実は七味唐辛子に入っていたり、料理やお菓子の風味付けに使われたりするので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
麻の実は古くからある食材で、中国ではかつて、人間が生きていく上で必要な五穀のひとつに数えられていたほど。それがいつしか日本にも伝えられ、私たちの食卓にのぼるようになりました。
しかし、麻は「大麻」や「大麻草」とも言います(色々な呼び方がありますね)。大麻と聞くとあまり良いイメージはありませんが、違法性はないのでしょうか。
ヘンプ(ヘンプシード)に違法性はないの?
結論から言うと、食用に流通している麻の実に違法性はありません。そのため、ヘンププロテインも違法ではないので、安心して摂取してください。
ちなみに麻の実が発芽して成長したもの、つまり大麻・大麻草に関しては違法成分を含まない「CBD(カンナビジオール)」と違法成分を含む「THC(テトラヒドロカンナビノール)」の2つの主成分に分けられます。
- CBD
大麻の茎や種子から抽出される成分のうちのひとつ。精神へ与える影響や、中毒性がないことが証明されているため、最近ではCBDオイルをはじめとしたCBD関連製品が多数販売されるようになりました。医療業界や美容業界から注目を集めており、世界のセレブや健康意識の高い方々を中心に使用されています。 - THC
向精神作用があるとされており、日本を含めて多くの国で禁止されています。そのため、THCを含んだ製品は、日本では販売不可となっています。ヘンププロテインは麻の実を砕いているので関係ありませんが、このTHCに関しては製品化の過程で取り除くことが必須とされています。
以下の記事では、CBDとTHCの違いについてさらに詳しくご紹介していますので、併せてご覧ください。
ヘンププロテインの味は?
さて、気になるのはその味。どんな味がするのでしょうか。
編集部が飲み比べてみた感想としては、若干の甘さがあり、きな粉のような風味が特徴。
気になる点としては、植物由来なので、草っぽさや溶けにくさが残ります。
甘いフレーバーで飲みやすく調整されていたり、水に溶けやすくする成分が入っている商品は少ないため、正直なところ、味はイマイチ。しかし、逆に言えば、余分な添加物が入っておらず栄養価が高いため、体調が気になる方、健康志向の方、またエシカル・サステナブルな生活を志向する方にはピッタリの食材です。
通常のプロテインとの違い
一般的に流通するプロテインの多くはホエイプロテインですが、このホエイとは牛乳由来のタンパク質のこと。対してヘンププロテインは、植物性タンパク質でできています。
そのため、牛乳を飲むとお腹がゆるくなりやすい方や乳糖不耐症の方、またヴィーガンの方も安心して飲むことができます。副作用の報告もないため、多くの方にとって手に取りやすいプロテインなのです。
ヘンププロテインは毎日摂取できるプロテイン!
プロテインというと、ジム等で運動やトレーニングをしたあとに飲むイメージがあります。
筋肉の増強には、タンパク質の摂取が欠かせません。だから体を動かしたあとに、タンパク質を摂取するのですね。
しかしヘンププロテインは栄養価が高いため、日常生活において習慣的に取り入れることで、より高い効果を発揮します。
運動後はもちろん、日常の食事では補いきれない栄養素をヘンププロテインでカバーする……そんな使い方ができるのが、他のプロテインとの大きな違いです。
気になるヘンププロテインの栄養価は?
ここでプロテインについておさらいしましょう。
プロテインとは、タンパク質のこと。生きていく上で欠かせないタンパク質を気軽に摂取できるようにしたのが、いわゆるプロテイン関連商品ですが、ヘンププロテインにはタンパク質はもちろん、日本人に不足しがちと言われるミネラルや必須脂肪酸、食物繊維が豊富に入っているのが特長。つまり、多く流通しているホエイプロテインやソイプロテインは、タンパク質の摂取のみを目的としていますが、ヘンププロテインは「タンパク質+他の栄養」も取り入れることができるのです。
ヘンププロテインに含まれている栄養素を詳しくみていきましょう。
タンパク質
まずはタンパク質。ヘンププロテインに含まれる栄養素のおよそ半分が、タンパク質で占められています。さらにそのうちのおよそ65%に、麻の実が持つ特有の「エデスチン」と呼ばれる吸収されやすいタンパク質と必須アミノ酸9種類がすべて含まれているため、健康維持には最適です。
ミネラル
一般的なプロテインにはミネラルが含まれていないことが多いですが、ヘンププロテインには鉄、銅、マグネシウムをはじめとしたミネラルが豊富に含まれています。ミネラルは体内で作れない栄養素ですので、ヘンププロテインで手軽に摂取しましょう。
必須脂肪酸
健康には必須のオメガ3とオメガ6がバランス良く含まれています。必須脂肪酸は、細胞膜の生成には欠かせないので、積極的に摂っていきましょう。
食物繊維
ヘンププロテインに含まれる栄養素の4分の1は食物繊維。食物繊維は主に野菜に含まれており、整腸効果をはじめ、インスリンの過剰分泌の予防、満腹感の持続といった効果があるため、野菜不足の方にも特におすすめです。
ヘンププロテインの効果は?
栄養豊富なヘンププロテインですが、摂取することで以下の効果を期待できます。
ダイエットで不足しがちな必須脂肪酸とミネラルを摂取できる
ヘンププロテインに含まれている必須脂肪酸とミネラルは、体内で作ることのできない栄養素。そのため意識的に外部から摂取する必要があります。不足分を食事のみで補うのはなかなか難しいですが、ヘンププロテインを日常的に飲むことで、手軽に摂取することができます。
発毛に必要な主要栄養素の摂取も
ヘンププロテインは発毛にも効果的?なんて話も。発毛に欠かせない植物由来のタンパク質が豊富に含まれているため、頭皮の気になる方が飲むケースは増えているそうです。
肌に必要なタンパク質が摂取できる
こちらの植物由来タンパク質は、肌をつくる元になるもの。加えてほとんどのヘンププロテインは添加物が入っていないため、美容を意識する方にもおすすめです。
腸内環境を整える食物繊維が豊富
食物繊維は、便秘の予防や血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度の低下といった整腸効果を期待することができます。お腹の調子が気になる方にもおすすめです。
ヘンププロテイン比較! どのプロテインが良い?
なんだか良いことづくしなヘンププロテインですが、商品ごとに違いはあるのでしょうか。
そこで、ECサイトで購入できる各ヘンププロテインの特徴をまとめました!
商品名 | 特徴 | エネルギー | 内容量 | 参考価格 | ブランド |
ヘンプとオーツ | オートミールがミックスされた、業界初のヘンププロテイン | 76kcal/20gあたり | 400g | 3,150円(税込・送料無料) | くらしとエコと |
有機ヘンププロテインパウダー | オーガニックヘンプシードのみを使用 | 68kcal/20gあたり | 140g | 1,188円(税込) | HEMPS |
ヘンププロテイン パウダー | スプーン大さじ3杯、1日に必要な鉄、銅、亜鉛を摂取可能 | 80kcal/20gあたり | 1000g | 5,390円 | HEMP STYLE |
アマナ ナチュラル ヘンププロテイン | 豆乳、野菜ジュース、スムージー、フルーツジュースに混ぜるのがおすすめ | – | 500g | 3,380円 | アマナ |
ヘンププロテイン | カナダ食品検査庁およびカナダ保健省の検査を受けた農場で麻の実を栽培 | 113.1kcal/30gあたり | 454g | 3,672円 | ニューサイエンス |
Nutiva Hemp Protein 50% Organic, | – | 110kcal/30gあたり | 16 OZ(454g) | 5,185円 | Nutiva |
ASAKARA PROTEIN | 飲みやすさ食べやすさを突き詰めたフレーバー | – | 450g | 3,900円 | ASAKARA |
GronGヘンププロテイン | 麻の実の粉末だけで製造 | 76kcal/20gあたり | 500g | 2,480円 | GronG |
カカベル ヘンププロテインパウダー | 国際基準取得のカナダ工場で製造 | – | 420g | 2,880円 | カカベル |
NICHIGA ヘンププロテインパウダー | 食品安全規格ISO22000認証取得 | 387kcal/100gあたり | 500g | 3,600円 | NICHIGA |
MAD PROTEIN ヘンププロテイン | おいしさにこだわり、天然甘味料ステビアを使用 | 80kcal/20gあたり | 500g | 2,360円 | MAD PROTEIN |
ヘンププロテイン おすすめ11選
また上記に付随して、おすすめのヘンププロテインもこちらで紹介します。気になる商品があったら、ぜひ試してみてください。
くらしとエコとPRODUCT:ヘンプとオーツ
「ヘンプとオーツ」は、なんとヘンププロテインに栄養豊富なオートミールを配合しているのが特徴。栄養成分がより高まっており、自然由来の植物性タンパク質などを豊富を摂ることができます。
運動後はもちろん、朝食時に飲むなど、毎日の栄養補給にピッタリのプロテインです。
HEMPS:有機ヘンププロテインパウダー
有機JAS認定を受けており、ソイフリー、乳、砂糖、添加物も不使用の健康的なヘンププロテインです。水や植物性ミルクと一緒に飲むのはもちろん、料理にふりかけるのもおすすめです。
HEMP STYLE :ヘンププロテイン パウダー 非加熱 カナダ産
無農薬で育てられたヘンプを使用。さらに保存料、着色料、甘味料といった添加物も不使用の安全なヘンププロテインです。豆乳や野菜ジュース、シリアルにかけてもおいしくいただけます。
アマナ:ナチュラル ヘンプ プロテイン
ドリンクはもちろん、シリアルやお菓子づくりにもぴったりなヘンププロテイン。運動後の栄養補給にもおすすめです。
ニューサイエンス:ヘンププロテイン
カナダ食品検査庁およびカナダ保健省の検査を受けた農場で栽培された麻の実を使用した品質の高いヘンププロテイン。お子様からご高齢の方まで、家族みんなで楽しむことができます。
Nutiva:Protein 50% Organic, 16 OZ
アメリカやカナダで人気を集めるヘンププロテインです。海外製品が気になっている方におすすめです。
ASAKARA:ヘンププロテイン
現地で丁寧に育てられたプロテインを使用した本商品は、フレーバーにもこだわり、飲みやすさ重視で作られています。ヘンププロテインの味に苦手意識のある方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
GronG:ヘンププロテイン
麻の実の粉末だけで製造されているため、ヘンプ本来の味わいを感じるプロテイン。バナナヨーグルトスムージーや、はちみつ生姜のホットソイミルクがおすすめとのこと!
カカベル:ヘンププロテインパウダー
国際基準取得のカナダ工場で製造された安心安全なヘンププロテインです。さらに無農薬、無添加であることから、素材本来の味ですので、スムージーやココアに混ぜて楽しんでください。
NICHIGA:ヘンププロテインパウダー
食品安全規格ISO22000認証取得していることから、品質が担保されたカナダ製のヘンププロテインです。料理に入れると、とろみが出ますので片栗粉の代用としてカレーやシチューに入れると食べやすいですよ。
MAD PROTEIN:ヘンププロテイン
おいしさにこだわり、2年の歳月をかけて開発されたヘンププロテイン。天然甘味料ステビアを使用することで、原料にもこだわっています。運動後はもちろん、起床後、就寝前に摂取するのがおすすめとのこと!
いかがでしょうか。
お気に入りのヘンププロテインは見つかりましたか?
ヘンププロテインのおいしい飲み方
味について先ほど少し触れましたが、水に溶かすだけでは飲みづらさを感じるのは確か。ヘンププロテインは溶けにくいため、水に入れるだけでは沈殿したり、粉っぽさがどうしても残ってしまうので、気になる方もいるのではないでしょうか。
そこで、以下のように飲み味や食べ物を工夫することで、ヘンププロテインを楽しくおいしく体に取り入れることができます。
甘酒と豆乳に混ぜる
[ 用意するもの ]
ヘンププロテイン、甘酒、豆乳をシェイカーに入れてふるだけで、飲みやすいヘンププロテインの完成! さらにお好みで、きな粉を追加するのもおすすめです。
植物性ミルクに混ぜる
普通の牛乳ではなく、以下のような植物性ミルクを使う飲み方です。
ヘンププロテインは植物由来ですから、ヘルシーな効果が期待できそうですね。
植物性ミルクは種類によって味や栄養成分は様々ですので、お好みのミルクで割ってみてください!
無調製豆乳
豆乳は、牛乳と比べて脂質がおよそ半分。無調製豆乳を選ぶことでよりヘルシーになります。
アーモンドミルク
アーモンドの香りが特徴的なアーモンドミルクは、抗酸化作用が強いため老化防止にも効果的と言われています。生活習慣病の予防も期待できるため、健康を意識されている方におすすめです。
オーツミルク
オーツミルクは癖が少なく、クリーミーな味わいが特徴です。
原料であるオーツ麦には食物繊維がたっぷり含まれているため、整腸作用を期待することができます。
ココナッツミルク
甘味が特徴のココナッツミルクには脂肪分が多く含まれているため、飲み過ぎは禁物。一方で食欲抑制効果が期待できるため、1日1杯と決めるなど、上手に取り入れていきましょう。
スムージーに混ぜる
スムージーにすれば、よく溶けますし、粉っぽさも気にならなくなります。
以下の食材をミキサーにかけるだけで、ヘンププロテインスムージーの完成! 入れる果物や野菜によって色々な味を楽しめるので、毎日飲んでも飽きづらくなりますよ。
[ 用意するもの ]
- お好みの果物
- お好みの野菜
- ヘンププロテイン 大さじ2
- 水 250cc
- はちみつ 小さじ1
料理に混ぜる
飲みものだけでなく、料理に混ぜるのもよし。
ヨーグルトやパンケーキ、クッキーに混ぜて食べることもできます。お味噌汁に入れる方もいるとかいないとか……。「飲みものだけでは飽きてしまう」と感じる方は、試す価値ありです。
もちろんご紹介した以外にも、市販の牛乳に混ぜたり、自分の好きな飲料や食べ物に混ぜたりするのもOK!
何に混ぜても良いのがヘンププロテインの良いところ。自分なりのオリジナルレシピを探求するのも、楽しみ方のひとつです。
ヘンププロテインは無添加で豊富な栄養素が摂取できる
常飲できるプロテイン、またスーパーフードとして注目を集めるヘンププロテインをご紹介しました。
ヘンププロテインには、健康や美容には欠かせない栄養素がたっぷりと含まれています。食生活の乱れや肌トラブル、発毛などにお悩みの方は、毎日の習慣としてヘンププロテインを取り入れてみるのが良いでしょう。きっと、数日〜数週間で、効果が実感できると思います。
ヘンププロテインを生活に取り入れ、充実した毎日を送りましょう!